【6月23日 AFP】昨年のパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)における、同地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)とイスラエルの紛争について、国連(UN)は22日、双方が戦争犯罪を犯した可能性があるとの報告書を発表し、「前例のない」破壊行為と人々に苦しみをもたらしたとしてこれを非難した。

 昨年のガザ紛争では、パレスチナ人2140人、イスラエル側で73人が死亡。死者のうち、パレスチナ側の大半は民間人、イスラエル側はほとんどが兵士だった。国連の調査委員会は、この紛争中に双方が戦争犯罪を犯したと「信頼できる申し立て」を得たと発表した。

 昨年の設立以来、調査委に対する厳しい批判を繰り返してきたイスラエルはこの報告書を、偏ったものだと一蹴。ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、イスラエルは「戦争犯罪など犯していない」と主張した。

 ネタニヤフ首相は声明でハマスに言及し、「イスラエルは、わが国の破壊を呼び掛けて戦争犯罪に及んでいるテロ組織から自衛している」と述べた。

 一方ハマスは、「イスラエルの戦争犯罪を非難」したこの報告書を歓迎した。

 報告書は双方を批判しているが、とりわけイスラエルがガザ地区で行使した「大規模な武力」を非難した。51日間に及んだ紛争では、6000回以上の空爆が行われ、5万発以上の迫撃砲が使用された。(c)AFP/Nina LARSON