【7月6日 AFP】(記事更新、写真追加)女子サッカーW杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)は5日、BCプレイス・スタジアム(BC Place Stadium)で決勝が行われ、米国が5-2で前回覇者の日本を退け、W杯制覇を果たした。

 1991年大会と1999年大会で優勝している米国は、カーリー・ロイド(Carli Lloyd)が女子W杯決勝では史上初となるハットトリックを達成し、2011年の前回大会決勝でPK戦の末に敗れた日本にリベンジを果たすと同時に、通算3度目の優勝を飾っている。

 32歳のロイドは、試合開始3分で先制点を挙げると、それから2分後に追加点を奪い、前半16分にはハットトリックを達成した。

 米国ではまた、前半14分にローレン・ホリデー(Lauren Holiday)、後半9分にトビン・ヒース(Tobin Heath)が得点を記録している。

 一方、日本は前半27分に大儀見優季(Yuki Ogimi)のゴールで1点を返し、さらに後半7分には米国のジュリー・ジョンストン(Julie Johnston)のオウンゴールで得点を記録したものの、連覇には届かなかった。

 日本と米国が大舞台の決勝で顔を合わせたのは、日本が栄冠に輝いた2011年大会と、ロイドが得点を記録して米国が金メダルを手にした2012年のロンドン五輪に続き、今回が3度目となる。

 2011年大会の決勝でPKを外しているロイドは、ゲームキャプテンを務めた試合で圧巻のパフォーマンスを披露し、最優秀選手に贈られるゴールデンボール(Golden Ball)賞を手にした。

 ロイドは前半3分、ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)の右からの低いコーナーキックに合わせて先制点を挙げると、その2分後には日本の守備陣を混乱させたフリーキックに合わせ、セットプレーから2ゴールを記録した。

 5万3341人の観客の大部分を占めた米国サポーターの「USA、USA、USA」の合唱が響くなか、前半14分には岩清水梓 (Azusa Iwashimizu)のクリアミスからホリデーがボレーを決めると、その2分後には再びロイドがGK海堀あゆみ(Ayumi Kaihori)の頭上を破る約46メートルのロングシュートを沈め、ハットトリックを達成した。

 ロイドの動きに対応しきれなかった日本だったが、円陣を組んで立て直しを図ると、同27分に大儀見が大会最優秀GKに贈られるゴールデン・グローブ(Golden Glove)賞を獲得した米国の守護神ホープ・ソロ(Hope Solo)からゴールを奪った。

 そして前半33分、佐々木則夫(Norio Sasaki)監督が前回大会優勝の立役者でベテランの澤穂希(Homare Sawa)を投入すると、交代でピッチを退いた岩清水はベンチで泣き崩れ、チームメートから慰められた。 

 日本ベンチには、チーム初戦で足首を骨折し、手術のために帰国していた安藤梢(Kozue Ando)の姿もあった。しかし、安藤の存在もチームの状態を上向かせるまでにはいたらず、日本は後半7分にジョンストンのオウンゴールで1点を返すのがやっとだった。

 後半9分にヒースが今大会初得点を記録した米国は、残り10分でアビー・ワンバック(Abby Wambach)を投入すると、ロイドはキャプテンマークをワンバックに譲った。

 さらに米国は、1999年大会の唯一の優勝メンバーである40歳のクリスティー・ランポーン(Christie Rampone)を残り5分で投入する余裕を見せた。(c)AFP/Emmeline MOORE