中国に熱視線、ロンドン・メンズファッションウィーク
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【6月17日 AFP】シャープなスーツにストリートウエア、トップブランドが華やかに競演したメンズファッションウィークが15日、英ロンドン(London)で閉幕した。今回は特に、大きな収益が見込める中国の高級市場とのネットワーク強化を目指す動きが目立った。
「バーバリー(Burberry)」や「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」、「トム フォード(Tom Ford)」、「ジミー チュウ(Jimmy Choo)」といった世界的な大手ブランドに加え、名門紳士服街サヴィルロー(Savile Row)の老舗テーラー「リチャード・ジェームズ(Richard James)」や「ギーブス&ホークス(Gieves and Hawkes)」、「ハーディー・エイミス(Hardy Amies)」などが最新コレクションを発表した。
今回のファッションウィークで先陣を切ったのは、ハイストリートブランド「トップショップ(Topshop)」のメンズレーベル「トップマン(Topman)」。レトロなトラックスーツやワイドチノ、スポーティーなテーラリングなどが目立った。フロントローにはフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)チャンピオンのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)の姿も見られた。
「ロンドン・コレクション・メン(London Collections Men)」という正式名称の同ファッションウィークは、より規模の大きいウィメンズウエアのショーから独立して開催されるようになって今回で7回目だ。メインプログラムだけで77人のデザイナーが作品を発表した。
今シーズンは特に、ブリティッシュ・メンズウエアを中国にPRしていくという新たな狙いがあり、中国出身のモデルで俳優、歌手、慈善活動家の胡兵(フー・ビン、Hu Bing、45)が同イベント初のインターナショナル・アンバサダーに任命された。
ロンドン・メンズファッションウィーク会長で、英誌GQのエディターを務めるディラン・ジョーンズ(Dylan Jones)氏はAFPの取材に対し、中国からのマスコミやバイヤーの参加数はイベント立ち上げ当時の2012年に比べて185%増えたと明かし、さらに胡兵が「ブリティッシュ・メンズウエアのメッセージを世界中に、特に中国に届けてくれる」と期待する。
市場調査会社ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)によると、昨年メンズの高級プレタポルテ市場で5位につけた中国は、2017年までに米国に次ぐ世界第2位の市場に成長すると見込まれているという。
1991年に北京(Beijing)に第一号店を構えたイタリアの高級ブランド「エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegna)」は、同ブランドにとっての世界最大市場はすでに中国になっているとしている。
また中国からの投資によって息を吹き返したブランドもある。伝統ある「ハーディー・エイミス」や「キルゴー(Kilgour)」、「ギーブス&ホークス」、「ケント&カーウェン(Kent & Curwen)」は現在いずれも、香港(Hong Kong)の大富豪である馮(ファン、Fung)兄弟が所有している。