【6月16日 AFP】バチカン(ローマ法王庁)は15日、元駐ドミニカ共和国大使のヨゼフ・ベゾロフスキ(Jozef Wesolowski)元大司教を性的虐待罪で起訴し、来月11日に審理を開始すると発表した。バチカン内で高位聖職者が性的虐待により起訴されたのは今回が初めて。

 ベゾロフスキ元大司教はポーランド出身。バチカンは、同元大司教が定期的に少年らに金銭を与えて性的行為に及んでいたという情報を入手し、2012年にドミニカ共和国から内密に召還していた。

 元大司教は、14年6月に教会内法廷で聖職者資格を剥奪されたにもかかわらず依然、自由の身だったが、同年9月に自宅軟禁処分となった。バチカンは、この処分はフランシスコ(Francis)法王から直接下されたものだとしている。

 ドミニカ共和国の当局は、同元大司教の犠牲者とされる少なくとも4人を特定したとしている。

■米では高位聖職者2人が辞職

 さらにバチカンは15日、小児性愛の聖職者から未成年者を守れなかったとして、米国の高位聖職者2人の辞職も発表した。

 バチカンは前週、聖職者らによる虐待行為を隠ぺいした司教を罰する権限を持つ教会内法廷の創設を発表したばかり。

 2人の辞職は、米ミネソタ(Minnesota)州で未成年者2人に対する性的虐待と児童ポルノ所持の罪でカーティス・ベーマイヤー(Curtis Wehmeyer)司祭が2012年に禁錮刑に科されたことを受けてのものだという。(c)AFP/Angus MACKINNON