【6月15日 AFP】昨年11月に67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(すいせい)(Comet 67P/Churyumov-Gerasimenko)に着陸し、その後、電池切れで休眠状態に入った実験機「フィラエ(Philae)」との交信が約7か月ぶりに再開した。欧州宇宙機関(ESA)の管制センターが14日、明らかにした。

 ミッション・マネジャーのパトリック・マーティン(Patrick Martin)氏は、スペイン・マドリード(Madrid)にある地上管制センターからAFPの取材に応じ、グリニッジ標準時(GMT)13日午後8時28分(日本時間14日午前5時28分)に、「2分間の交信に成功した」ことを明らかにした。

 今回の通信再開について同氏は、「ロゼッタ(Rosetta)との交信を継続して行うためのエネルギーと温度は良好で、サブシステムにも問題がないことを確認できた」と語った。ロゼッタとは、彗星を周回している実験機母船の彗星周回探査機だ。

 彗星は、原始の塵(ちり)と氷の塊で、太陽の周りの楕円(だえん)軌道を周回している。彗星について宇宙物理学者らは、彗星が地球に生命の元になる物質の「種をまいた」可能性があると考えている。

 今回のミッションでフィラエは、凍った彗星表面への着陸時に2回バウンドし、最終的には太陽光が届かない崖の陰で横倒しになってしまった。フィラエに搭載されたバッテリーの持続時間は60時間で、それ以上の活動維持には太陽電池パネルによる発電が必要となる。そのため、電池切れとなったフィラエは11月15日に休眠状態に入った。それでも、彗星が太陽に近づき、実験機のバッテリーが充電を開始することで、実験も再開されると科学者らは考えていた。

 欧州宇宙機関のウェブサイトによると、彗星は現在、太陽から2億1500万キロ、地球から3億500万キロの地点にあり、秒速31.24キロの速度で移動しているという。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、8月13日に太陽に最接近し、その後は再び宇宙の彼方へと遠ざかっていく。(c)AFP/Mariette LE ROUX