【6月13日 AFP】米国防総省は12日、米軍の研究所が、炭疽(たんそ)菌の生きたサンプルを国内外の複数の研究施設に誤って送付していた問題で、2005年には生きたサンプルを日本の米軍基地にも送付していたことを明らかにした。炭疽菌が誤送付された国は日本を含め計5か国となった。

 同省のスティーブ・ウォーレン(Steve Warren)報道官によると、炭疽菌サンプルは2005年に神奈川県の在日米軍基地、キャンプ座間(Camp Zama)に送付され、2009年に処分されたという。ウォーレン報道官は、現在は日本には、生きたまたは不活性化されたいずれの炭疽菌も存在しないと述べた。

 米軍は日本以外にも、韓国、カナダ、オーストラリア、英国にほか、米国内19州と首都ワシントン(Washington D.C.)にも誤って生きた炭疽菌を送付しており、2005年以降、69の研究施設が炭疽菌の生きたサンプルを受け取っていたことが判明している。

 ウォーレン報道官は、「なんらかの機械的な問題、または菌の不活性化に関する科学的問題があったのかなどを調べている。もちろん、人的エラーも可能性の1つだ」と述べた。

 誤送付された炭疽菌の生きたサンプルは低濃度で、これまでに誤送付が原因の感染者は出ていない。米軍当局は先週、炭疽菌の誤送付が、当初報道されたよりもはるかに悪い状況であることを認め、その規模が未だ不明であることを明かした。

 当局は、サンプルは厳重に密封されており、公衆衛生に対する脅威はないと述べている。現在まで誤送付が明らかになった活性炭疽菌はすべて米ユタ(Utah)州にある米陸軍研究室、ダグウェイ実験場(Dugway Proving Ground)から発送されている。(c)AFP