【6月12日 AFP】女子サッカーW杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)に出場している日本代表の佐々木則夫(Norio Sasaki)監督は11日、自身を映画監督のスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)氏になぞらえ、優勝という結果と内容を両立したいと語った。

 2008年からチームを指揮する57歳の佐々木監督は、「皆さんに楽しんでいただいて結果は勝ちたい。僕のあだ名はスピルバーグ監督ですから」と語っている。

 スピルバーグ氏の大ヒット映画の台本のごとく、日本は4年前のドイツ大会(FIFA Women's World Cup 2011)で、津波と原子力発電所の事故からの復興を目指す国の不屈の精神を具現化するような内容で、劇的な優勝を飾っている。

 優雅さや美の象徴であるピンク色の花の「なでしこ」と呼ばれる日本は、ドイツ大会の決勝で緊迫したPK戦の末米国に勝利し、歓喜の渦を巻き起こした。

 これにより佐々木監督は、国際サッカー連盟(FIFA)の女子チームの世界年間最優秀監督賞を受賞している。

 米国は2012年のロンドン五輪の決勝で日本を下して金メダルを獲得し、W杯のリベンジを果たしたが、両国の対戦は今大会でも注目されている。

 佐々木監督は、技術や戦術に優れた日本のスタイルを他国が取り入れたことにより、今大会での日本の連覇はさらに困難なものになったとしている。

「スキル、チームの総合力が女子のサッカーは進歩してきていますが、そのきっかけとなったのはわれわれのチームであるのかもしれません。以前は蹴って、走って、当たってというチームが主力でしたが、今は技術やチームの戦術が精度を上げてきています。われわれとしてはさらに精度を上げていかなければなりません」

■カメルーンは「個の質が高い」

 スイスとの初戦で日本は、安藤梢(Kozue Ando)が獲得したPKにより1-0で勝利しているが、安藤はこのプレーで足首を骨折し、戦列を離れている。

 次戦で日本は、初戦でエクアドルに6-0で大勝したカメルーンと対戦する。

 カメルーンの印象について「思っていた以上に個の質が高い」と語る佐々木監督は、「大量点を含め、精神的に楽な戦いをしていた。しっかりと準備をしてきた中で、しっかりやってくれれば十分勝機はある」とコメントしている。(c)AFP/Emmeline Moore