【6月9日 MODE PRESS】2011年にフランス・パリ(Paris)のカフェで泥酔し、反ユダヤ的な発言をしたとして「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」を解雇されたデザイナーのジョン・ガリアーノ(John Galliano)は、過度の飲酒を繰り返していた当時を振り返り、あの事件をきっかけに人生が良い方向へ変化したという見方を示した。

 ジョンはロンドン(London)で開かれたユダヤ人コミュニティー向けの講演イベント「コネクト(Connect)」で次のように告白した。「私はアルコール中毒です。依存症です。どう言い訳することもできません。われわれアルコール中毒者、依存症患者に、病気にかかった責任を問うことはできません。しかし回復と償いの責任はしっかりと負うつもりです。私は日ごとに病気からの回復を遂げています、完全な断酒を守っているからです」

 またジョンは、もし「ディオール」から解雇されていなければどうなっていたと思うかという質問に対し、「死んでいたと思います」と答えた。

 現在は「メゾン・マルジェラ(Maison Margiela)」のクリエーティブ・ディレクターを務めるジョンはこの日、リハビリ中に心の支えになってくれている恩人と呼ぶ、セントラル・シナゴーグ・ロンドン(Central Synagogue London)のバリー・マーカス(Barry Marcus)師と共に壇上に立った。

 ジョンは、宗教をよりどころとして初めて自身の行為を「受け入れられるようになった」と明かしている。「以前の私はあの事件について、自分以外のみんなのせいにしていました。でも今は怒りの気持ちは消えました。ようやくあの時起こったこと、そして私に非があった部分を受け入れることができたのです」「運転席に座っているのは神です、私ではありません。かつては自分の意思に振り回されていましたが、今は神の意思に導かれています」(c)Bang Showbiz/MODE PRESS