【6月9日 AFP】米国で独房に同国最長の約43年間、収監されてきた受刑囚について、ルイジアナ(Louisiana)州の連邦地裁が8日、釈放を命じた。

 釈放の対象となったのは、ルイジアナ州アンゴラ(Angola)にあるルイジアナ州立刑務所(Louisiana State Penitentiary)の独房に収監されていたアルバート・ウッドフォックス(Albert Woodfox)受刑囚(68)。1972年に発生した刑務所の暴動の際に看守を殺害したとして有罪判決を受け、幾度か判決が覆りながらも、州内の複数の刑務所で収監されていた。しかし、ジェームス・ブレイディ(James Brady)判事はウッドフォックス受刑囚を無条件で釈放するよう命じ、この件に関するこれ以上の申し立てを禁じた。

 ウッドフォックス受刑者は、殺人への関与を否定する目撃証言や、事件現場に残された証拠の科学鑑定の結果を根拠に挙げて長年、無罪を訴えてきた。うそ発見器によるテストでも殺人への関与を否定する結果が出ていた。ウッドフォックス受刑者は事件当時、アフリカ系米国人による戦闘的黒人解放組織ブラックパンサー(Black Panther)のメンバーだった。(c)AFP