【6月9日 AFP】米西海岸ラップの草分け的存在である「N.W.A.」が15年ぶりに再結成することが8日、明らかになった。同グループは、米80年代後半のストリートカルチャーを暴力的な歌詞で表現して人気を博した。

 米ブラック・エンターテインメント・テレビジョン(Black Entertainment TelevisionBET)が、ロサンゼルス(Los Angeles)で今月後半に行われるコンサートに出演する予定と発表した。コンサートには、スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)やケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)、スクールボーイ・Q(ScHoolboy Q)など、西海岸を代表するミュージシャンらが出演するという。

 コンサートは、N.W.A.を脱退後、ソロで活動を続けているアイス・キューブ(Ice Cube)が企画した。8月には、同グループをテーマにした映像作品「Straight Outta Compton」も公開される予定。映像作品のタイトルは、大ヒットした同グループのデビューアルバムのものと同じ。

 米誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)とのインタビューでアイス・キューブは、元メンバーのDJ・イェラ(DJ Yella)とは1989年以来、MC・レン(MC Ren)とは2000年以来の共演と語っている。

 残る疑問は、元メンバーのドクター・ドレー(Dr. Dre)の出演だ。ドクター・ドレーはグループ脱退後、音楽業界をリードする企業家の一人となり、「デス・ロウ・レコード(Death Row Records)」を設立した他、ヘッドホンのブランド「ビーツ・バイ・ドレー(Beats by Dre)」も立ち上げている。同ブランドは2014年、米アップル(Apple)に30億ドル(約3700億円)で買収された。

 アイス・キューブは、ドクター・ドレーの出演について、「彼の登場で俺たちを喜ばせてほしい」と語り、その可能性をほのめかした。アイス・キューブとドクター・ドレーの共演は、2000年の「Up in Smoke Tour」以降、行われていない。

 N.W.A.のもう一人の初代メンバー、イージー・E(Eazy-E)は、AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)による合併症で1995年に死去している。(c)AFP