【6月8日 AFP】サウジアラビアの最高裁は、ウェブサイトに書いた見解が「イスラムを侮辱している」として市民ジャーナリスト、ライフ・バダウィ(Raif Badawi)氏に言い渡されていた禁錮10年とむち打ち1000回の判決を支持する判断を下した。バダウィ氏の妻が7日、明らかにした。

 バダウィ氏は1月9日に港湾都市ジッダ(Jeddah)のモスクの外で、むち打ち刑1000回のうち最初の50回を受けた。残りのむち打ちの執行は医学上の理由から延期されているが、バダウィ氏の妻は来週にも再開されるのではないかと懸念している。

 この件では国連(UN)、米国、欧州連合(EU)、カナダなど世界中からの非難の声が上がっていた。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は「残酷で不当な判決」を支持した「嫌悪すべき」決定だとして激しく非難し、「表現の自由にとって暗黒の日」だと述べた。同団体のフィリップ・ルーサー(Philip Luther)中東・北アフリカ部長は、「ブログを書くことは犯罪ではない。ライフ・バダウィ氏は表現の自由の権利をあえて行使しただけで罰されている」と語った。

 バダウィ氏はインターネットのディスカッショングループ「Saudi Liberal Network(サウジ自由ネットワーク)」の共同発起人で、2012年6月にサイバー犯罪の規定を適用されて逮捕された。同グループがサウジアラビアの悪名高い宗教警察を批判したことを受け、裁判所は同グループのウェブサイトの閉鎖を命じた。

 バダウィ氏とその弁護人のワリード・アブルハイル(Walid Abulkhair)氏は、ノルウェー国会のカリン・アンデシェン(Karin Andersen)議員により、今年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)にノミネートされている。(c)AFP