エルドアン大統領はこれまでもずっと公邸の新築について、自身が目指す新たなトルコのシンボルとしてふさわしいと主張してきた。すでにロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領やローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王を公邸に迎えている。

 大統領は今年、要人たちを迎える儀仗(ぎじょう)兵として、2000年にわたるチュルクの諸王朝を象徴する16種類の甲冑(かっちゅう)に身を包んだ兵士たちを登場させた。きらきらと輝くヘルメットをかぶり、やりを握りしめ、うち何人かは人工的なあごひげを付けている兵士たちの姿は、物笑いの種となってしまった。

 選挙を経て昨年8月に大統領に就任したエルドアン氏は新公邸に引っ越し、アフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)現首相は旧大統領官邸に引っ越しを済ませた。以前の首相の官邸はからっぽのままだ。

 先日、最大野党・共和人民党(Republican People’s PartyCHP)のケマル・クルチダルオール(Kemal Kilicdaroglu)党首が新大統領公邸に「黄金の便座」があると非難した際には、大統領はクルチダルオール党首を公邸に招待し、実際に見つけられれば辞任してやると迫った。また、黄金のトイレ発言で誹謗中傷されたとして、10万トルコリラ(約470万円)の損害賠償を求めて同党首を訴えた。(c)AFP/Stuart WILLIAMS