胎内での化学物質への暴露、尿道下裂のリスク3倍に 仏研究
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【6月7日 AFP】妊娠中の女性が頻繁に洗剤や溶剤、殺虫剤にさらされると、生まれた男児に尿道下裂と呼ばれる先天的な陰茎形態異常が生じるリスクが大幅に高まるとする研究結果を、フランスの医師らが発表した。
尿道下裂は新生児およそ1000人に3人の割合で生じる先天異常で、尿の出口が正常位置の陰茎の先端よりも根元側にある病気。手術で治療できるが、成人後の生殖能力に影響が出る可能性がある。
仏モンペリエ大学病院(Regional University Hospital Centre of Montpellier)のニコラ・カルファ(Nicolas Kalfa)教授(小児外科)とシャルル・シュルタン(Charles Sultan)教授(小児内分泌学)率いる研究チームは、仏4都市の病院で5年間にわたり子ども600人を調べ、うち300人に尿道下裂を確認した。
研究チームによると、性別が決定する時期に胎児が子宮の中で洗剤や溶剤、殺虫剤にさらされると、胎児の内分泌腺に影響が出て、尿道下裂のリスクが3倍高まるという。
「仕事や家庭で(これらの化学物質に)接触する機会が多いと、陰茎形態異常の恐れが非常に高くなるという結果が初めて示された」と、シュルタン教授はAFPに語った。
母親だけでなく父親の職業も影響し得るとの結果が出ており、研究ではリスクの高い職業として清掃員や家政婦、美容師、メーキャップアーティスト、実験室研究者、農業、メカニック、塗装業者などが挙げられている。
また、シュルタン教授は焼却炉やごみの埋め立て地、化学工場などから3キロ圏内に住んでいるとリスクが高まると指摘しており、居住地もリスク増加に関係している可能性がある。(c)AFP