【6月6日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件で起訴されているジャック・ワーナー(Jack Warner)元副会長は5日、今回の事件がかつての盟友カムラ・パサード・ビセッサー(Kamla Persad Bissessar)首相率いるトリニダード・トバゴ政府による陰謀だとして非難した。

 2010年のW杯(2010 World Cup)の招致レースで、開催権を手にした南アフリカから1000万ドル(約12億5000万円)の賄賂を受け取ったなどの罪で米当局に起訴されているワーナー元副会長は、オンラインのニュースサイトでパサード・ビセッサー首相を激しくののしり、批判している。

 以前、パサード・ビセッサー政権で閣僚を務めたワーナー元副会長は、自身が首相の縁故主義に反対したため攻撃の対象になったと語っている。

 ワーナー元副会長は、「とどのつまり、首相の全ての関心事は、手下が約束通り昇進するよう私を調教することだった。私は沈黙を破らなかったことで、トランペットを吹かなかったことで、政府の悪魔の策略を世に知らしめることをしなかったことで責められている。長い間沈黙し続けたが、これが最大の失敗だ。私の根本的な弱さであり、最も悲しむべき欠点だ」とトリニダード・トバゴ・サンシャイン(Trinidad and Tobago Sunshine)紙に寄稿している。

 また、ワーナー元副会長は、米当局の要請に従い同首相がワーナー元副会長の送還の手続きを開始することを法務長官に認めたことで「一線を越えた」としている。

 トリニダード・トバゴ議会の重鎮でもあるワーナー元副会長は、パサード・ビセッサー氏を支援し、2010年に同氏は所属する統一国民会議(United National Congress)の党首となったが、ワーナー元副会長は2013年に首相および党とたもとを分かっている。

 北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の元会長でもあるワーナー元副会長は、2011年のFIFA会長選でカリブ諸国の票を買収しようとして汚職スキャンダルを起こし、これによって処分を受けてFIFAの全ての職を解かれている。(c)AFP/Diego URDANETA