【6月5日 AFP】視界を遮るもののない広々としたプール、温度調節機能付きのワインセラー、ゴルフ・シミュレーター──これらは今、米ニューヨークの超富裕層が手に入れたいと願っている高級マンションの急成長市場で価値を生んでいる小道具だ。

 今年ニューヨークでは、マンション1戸の販売価格が1億ドル(約125億円)の敷居をまたぎ、不動産業者らはこれまで以上に多くの時間と労力を、大富豪たちのためのオーダーメード・マンションに費やしている。

 そうした高級マンションの完璧な例は、国連(UN)本部に近い43階建てタワー「50UNプラザ(50 United Nations Plaza)」の最上階に位置するメゾネット(複層住戸)だ。床面積900平方メートル、壮大なマンハッタン(Manhattan)を見渡す眺めを売りとする。販売価格は7000万ドル(約90億円)。競争の激しい高級住宅市場で、求められる以上のものを提供しようとする最新の不動産トレンドを存分に取り入れている。テラスにはそのまま摩天楼につながるようなインフィニティ・プール、さらに最新設備のスポーツジム、サウナ、共有屋内プール、個別エレベーター、そしてマンハッタンでは貴重なぜい沢といえる「専用降車場」が付いている。もちろん、各戸ごとに駐車スペースは確保され、駐車係が付くスペースさえある。

「50UNプラザ」の駐車スペース料金は、登録料として15万ドル(約1900万円)、その後は月額295ドル(約3万7000円)からとなっているが、同じマンハッタンのトライベッカ(Tribeca)にある「443グリニッチ(443 Greenwich)」の駐車登録料85万ドル(約1億円)などに比べれば「手頃」といえるだろう。他の高級マンションでは20万ドル(約2500万円)もすることがある温度調節機能付きワインセラーも、「50UNプラザ」では5万~7万5000ドル(約620万~930万円)で設置できる。(c)AFP/Brigitte DUSSEAU