【6月5日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件で起訴されたジャック・ワーナー(Jack Warner)元副会長が、身の危険を感じていることを明かし、FIFAとトリニダード・トバゴで行われた選挙のつながりを証明する書類を保有していると語った。

 サッカー界を揺るがせている汚職スキャンダルで、米当局に起訴された14人に含まれているワーナー氏は、辞意を表明したジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)FIFA会長の関与を含む、秘密の証拠の存在を明らかにしている。

 3日にトリニダード・トバゴで放送された番組の中で、ワーナー氏は「私はこれ以上、彼らのために秘密を守るつもりはない。私は身の危険を感じている。死をもってしても、これからやってくる崩壊を止めることはできない」と語っている。

 トリニダード・トバゴの国家安全保障大臣を務めた経歴を持つワーナー氏は、一連の疑惑による米国への送還が間近に迫っており、ブラッター会長の突然の辞任に発展した今回の疑惑の鍵を握る人物とされている。

 ワーナー氏はまた、FIFAの資金とトリニダード・トバゴの統一国民議会、そして2010年に行われたトリニダード・トバゴの総選挙で、「人民のパートナーシップ」政府とのつながりを示す書類をファイルにまとめていると明かした。

 FIFAの元副会長で、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の元会長でもあるワーナー氏は、数々の疑惑を受けて、2011年にすべての役職を解かれている。

 2010年1月に行われたトリニダード・トバゴの統一国民議会の選挙で、ワーナー氏は議長にカムラ・パサード・ビセッサー(Kamla Persad Bissessar)氏を推薦し、パサード・ビセッサー氏は同国史上初の女性首相になった。ワーナー氏はその後、政府と党から離脱している。

 トリニダード・トバゴの警察に出頭したあと保釈されているワーナー氏は、米国への送還に抗戦する姿勢を示しており、「彼らが私の自由を奪うことを認めるつもりはない」と語っている。(c)AFP