【6月5日 AFP】国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は4日、ギリシャが今月中に期限を迎える4回分の債務を月末に一括返済する方針を示したことを明らかにした。最初の3億ユーロ(約420億円)の返済期限は5日だったが、債務不履行(デフォルト)の危機は一時的に回避された。

 IMFのジェリー・ライス(Gerry Rice)報道官は、債務国は「同じ歴月に期限を迎える複数の債務の返済をまとめることができる」という規定があると説明した上で、「ギリシャ当局からIMFに対し、6月の4回の返済を一括返済するという通知があった。その返済期日は今月30日になる」と明らかにした。

 ギリシャの最初の3億ユーロの返済は5日が期限となっており、今月中にさらに13億ユーロ(約1800億円)を3回に分けて返済する予定だった。

 ギリシャとIMF、欧州連合(EU)、欧州中央銀行(European Central BankECB)は現在、ギリシャが債務返済のためどうしても必要としている72億ユーロ(約1兆円)の支援融資の凍結解除に向け4か月にわたって続けてきた交渉の突破口を見出そうと模索している最中だ。

 ギリシャへの支援融資の条件となる改革・緊縮政策をめぐり、IMFなど債権者側とギリシャの主張には依然として隔たりがあり、返済期限が迫る中、ギリシャがデフォルトに陥る懸念が強まっていた。

 ギリシャはこれまで、厳しい緊縮策や歳出削減を行わずに低迷する同国経済のてこ入れを目指す47ページに及ぶ改革案を提出。一方債権者側は今月1日にドイツ・ベルリン(Berlin)で独仏首脳も出席する会議を開き、ギリシャ抜きで代替案を策定した。今週行われてきた協議は5日に再開されることになっている。(c)AFP