【6月5日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)は4日、ファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)監督に代わって元ブラジル代表監督のルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)氏が指揮官に就任すると発表した。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、スコラーリ氏の契約期間は2年半とされているが、そのほかの詳細については明らかにされていない。

 66歳のスコラーリ氏は、昨年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でブラジル代表チームの指揮を執ったものの、準決勝でドイツに1-7の屈辱的な敗戦を喫し、代表監督を辞任している。

 スコラーリ氏はその後、カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のグレミオ(Gremio)で監督に就任し、チームは昨季7位となったが、戦力補強の要求を受け入れてもらえなかったとして、5月に監督を辞任していた。

 新華社通信は、広州恒大の幹部のコメントとして、「クラブが持つ戦略と野心が、スコラーリ氏と合致した」と伝えている。

「スコラーリ氏は広州恒大だけでなく、中国サッカー界の発展に貢献してくれるだろう」

 一方、カンナヴァーロ監督は、広州恒大を成功に導いたマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)氏の後任としてチームを率いたが、わずか6か月で退団することになった。

 カンナヴァーロ氏は現役時代にイタリア・セリエAのパルマ(Parma FC)やユベントス(Juventus)、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)でプレーした経歴を持ち、2006年にはイタリア代表の主将としてW杯ドイツ大会を制し、同年の世界最優秀選手に輝いている。

 スコラーリ氏は、2002年のW杯日韓大会でブラジル代表を優勝に導くと、ポルトガル代表では2004年の欧州選手権(UEFA Euro 2004)で決勝進出、2006年のW杯ドイツ大会ではベスト4に入った。

 スコラーリ氏はまた、世界各国で指揮を執った経歴を持っており、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)をはじめ、日本やウズベキスタン、中東で監督を務めている。(c)AFP