【6月3日 AFP】来日中のフィリピンのベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)大統領は3日、都内で行った講演で、中国をナチス・ドイツ(Nazi)になぞらえ、世界各国は中国に対し宥和政策をとり続けることはできないとの見解をほのめかした。

 中国は、南シナ海(South China Sea)の国際水域において大型軍用機が離着陸できる滑走路の建設を含む埋め立て計画を急ピッチで進めており、各国から懸念の声が上がっている。

 都内で開かれた国際交流会議「アジアの未来(Future of Asia)」に出席したアキノ大統領は、中国の脅威とそれを抑制する米国の役割に関する質問を受け、「真空状態が生じて、例えば超大国の米国が『わが国は関心がない』と言えば、他国の野望に歯止めがかからなくなる」と回答。

 さらに、「私は歴史学を学んだアマチュアにすぎないが、ここで思い出すのは、ナチス・ドイツが各国の出方を慎重にうかがっていたことと、それに対する欧米諸国の反応だ」と述べ、第2次世界大戦(World War II)勃発の前年にナチス・ドイツがチェコスロバキア・ズデーテン(Sudetenland)地方を併合した際、「誰もやめろと言わなかった」と指摘した。(c)AFP