【6月3日 AFP】ユベントス(Juventus)との欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)決勝を控え、FCバルセロナ(FC Barcelona)のアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)が2日、負傷のため欠場するのではとのうわさを一蹴し、退団の決まっているシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)を「完璧な」形で送り出すと、出場に意欲を見せた。

 イニエスタは、5月30日に行われたアスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)とのスペイン国王杯(Copa del Rey 2014-15)決勝でふくらはぎを痛め、後半の早い時間帯にシャビとの交代でピッチを後にしていた。試合はバルセロナが3-1で勝利し、リーグと国内カップ戦の2冠を達成している。

 イニエスタはこの日、「少し痛みはあるけど、それだけだ」と語っている。

「土曜日にその場にいない可能性が頭をよぎったことはない。まったく問題ないし、ピッチに出て、チームがチャンピオンズリーグを制覇し、特別なシーズンを締めくくる手助けをしたい」

 対戦相手のユベントスも、リーグ4連覇、そして先週はイタリア杯(Italian Cup 2014-15)優勝を決めている。そのため今回は、ベルリン(Berlin)で決勝を戦う両チームに、史上7チーム目となるリーグ戦、国内カップ戦、欧州チャンピオンズリーグの3冠達成の可能性が残されている。

 下馬評ではバルセロナが有利とされている。チームは1月以降、34戦28勝という驚異的な勝率を誇り、リオネル・メッシ(Lionel Messi)、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)、ルイス・スアレス(Luis Suarez)の3トップは、今季の合計得点数を120ゴールに伸ばしてスペイン記録を更新するなど、止めようのない状態が続いている。

 特にネイマールとスアレスは、チームにゴールへ向かう速さをもたらした。それは、ジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督の下、4シーズンで14個のタイトルを獲得し、2008-09シーズンに最初の3冠を達成した輝かしいチームにさえ、時折欠けていた要素だった。

 シャビも、2人が加わってチームの戦い方はより柔軟になったと述べている。今季限りで退団し、カタールのアル・サード(Al Sadd)に移籍することが決まっている35歳のシャビは、ユベントス戦がバルセロナでの最後の試合になる。

「僕の知るバルサは、ずっと同じサッカーをやってきた。ボールを保持して、試合を支配することを目指すサッカーだ。現在は前線の3人次第でいろいろなことが決まってくる。3人とも1対1にはものすごく強くて、独力でチャンスを作れる」

「だから、以前のように圧倒的なゲームコントロールは必要なくなった。3トップが自分たちの力でチャンスを作ってくれるからね」

「うちには今もアンドレス、イヴァン・ラキティッチ(Ivan Rakitic)、セルヒオ・ブスケッツ(Sergio Busquets)といったゲームをコントロールできる選手がいる。だけど、今のチームで戦い方を決めているのは、間違いなくあの3トップだ」

 ユベントスとの決勝に勝利すれば、シャビはバルセロナでの輝かしい17年のキャリアで、4度目のチャンピオンズリーグ戴冠、25個目のトロフィー獲得を果たしてクラブを去ることになる。

「すごく美しい決勝で、僕にとってバルサでの最後の試合だから、勝ちたいよ。夢のようなキャリアの終わりになるし、トップに立って去りたい」

 イニエスタも、シャビが最後の試合でチャンピオンズリーグのトロフィーを掲げている姿をイメージしていると話し、それがチームの士気をいっそう高めていると明かしている。

「それが理想的であることは間違いない。シャビのような唯一無二の選手が最高の形で別れを告げるのに、ここまでは申し分のないシーズンが送れている」

「シャビがチャンピオンズリーグのトロフィーを掲げている姿は、本人にとって、バルサにとって、そしてすべての選手にとって、完璧なクライマックスになる。それは疑いようがない」

「モチベーションはもうこれ以上ないほど高まっているけれど、それでも発奮材料が増えるに越したことはないし、そのイメージが現実になるのを願っている」

(c)AFP