【6月3日 AFP】東西ドイツ統一を実現させたドイツのヘルムート・コール(Helmut Kohl)元首相(85)が手術後に意識不明になったと報道されたことを受け、コール氏の事務所は2日、同氏は最近2度の手術を受け「この状況にしては容体は良好だ」と発表した。

 声明によると、コール氏は先月上旬に人工股関節置換手術を受けて成功したが、別の手術が必要になって入院が長引いたという。2度目の手術の詳細については触れていないが、「この状況にしてはコール氏の容体は良好だ」とした。

 地元メディアはコール氏に近い関係者の話として、同氏が手術後に集中治療室に入ったと伝えていた。

 独ニュースサイト「シュピーゲル・オンライン(Spiegel Online)」と芸能誌ブンテ(Bunte)は、コール氏がハイデルベルク(Heidelberg)の大学病院で腸の手術を受けたと報道。特にシュピーゲルは、コール氏は集中治療室に3週間入っており、「危篤状態」だとしていた。

 コール氏は1982年から98年まで16年間首相を務め、1989年のベルリンの壁(Berlin Wall)崩壊と冷戦(Cold War)終結を経て、東西ドイツの平和統一を実現した。2002年に政界を引退、最近では車椅子を使用しており、転倒によってあごがまひして以来発話に深刻な影響が出ている。(c)AFP/Kate Millar