英国パブ文化の救世主なるか?伝統制度廃止とビール新潮流
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だが、この伝統的な商慣習の廃止を求める人々はパブコの主張を認めず、長年にわたって運動を展開。今年3月に歴史的な勝利を収め、パブコの系列制度を撤廃する法案が成立した。
ロンドン(London)南部にあるパブ「イーグル・エール・ハウス(Eagle Ale House)」の共同経営者で、パブコ廃止を訴えてきたサイモン・クラーク(Simon Clarke)さんは、新法によって、パブの経営側はパブコを通じてビールを購入する必要がなくなり、選択肢が広がる上、コストも削減できると述べた。
■廃線の高架下に、地ビール醸造所エリア誕生
小規模の醸造所はすでに消費者の嗜好の変化にうまく乗じ、醸造所立ち上げの申請も過去5年で3倍に増えている。ロンドン南西部バーモンジー(Bermondsey)地区では、廃線となった鉄道の高架下に若手起業家たちが飛びつき、最先端のビール醸造所が集まる「バーモンジー・ビール・マイル(Bermondsey Beer Mile)」と呼ばれる流行地区に変身させた。
最近ここで誕生した醸造所「UBREW」はあらゆるレベルの醸造者に、ビール製造設備を共同利用して自前のビールを造るチャンスを提供している。UBREWの共同創設者、ウィルフ・ホースフォール(Wilf Horsfall)さんは「20年前、ロンドンの食べ物といえば、ひどい評判だったけれど、今では欧州の中でも刺激的な食のスポットになった。ビールにも同じことが起こると思う」と話した。
「昔に比べて皆、酔うためではなく楽しむために飲むようになった。アルコールが入っていることは楽しみの一つだけど、それがすべてとはならない。ビールの『ワイン化』が起きている。ワインについてブドウの品種や産地の違いを語ってきたようなことが、ビールにも今、起こってるんだ」(ホースフォールさん)
ビール・ライターで、CAMRAのメンバーでもあるロジャー・プロッツ(Roger Protz)さんによると、こうした新たな動きは、多国籍醸造企業に対抗する面もあるという。プロッツ氏は「世界的なメーカーが工場で利益のためだけに造ったビールが、あまりに長い間、飲まれてきた。今、人々が求めているものはただ一つ、それは風味だ」と語った。(c)AFP/James PHEBY