【6月1日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2015)は31日、男子シングルス4回戦が行われ、大会第5シードの錦織圭(Kei Nishikori)は6-3、6-4、6-2でロシアのティムラズ・ガバシュビリ(Teymuraz Gabashvili)に勝利し、日本人男子として82年ぶりに全仏オープンで8強入りを果たした。

 錦織は準々決勝で、第14シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)と対戦する。

 日本人男子が全仏オープンでベスト8に進出するのは、1931年と33年の佐藤次郎(Jiro Satoh)氏以来となる。昨年の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2014)で決勝に進出し、アジア勢男子として初めて四大大会(グランドスラム)でファイナリストになった錦織だが、気負いはないという。

 1967年以来、約半世紀ぶりに日本人5選手が出場した今大会の本戦で、唯一の望みをつなぐ錦織は、「新たな歴史を作るのはいつもうれしいことですが、日本とアジアが関わるときはなおさらです」と語った。

「僕らにとって、クレーというのは得意のサーフェスではありません。僕は今、新たなステップを踏み出そうとしています。クレーコートで、このように記録を重ねていきたいですね」

「でも、日本のメディアやファンからのプレッシャーは感じません。多くのサポートが得られるのは、わくわくするようなことです」

「日本では多くの人が見てくれていますし、僕の友達も見ています」

 3回戦で対戦する予定だったドイツのベンジャミン・ベッカー(Benjamin Becker)が故障で棄権を申し出たため、不戦勝で4回戦に駒を進めた25歳の錦織は、肌寒いコート・スザンヌ・ランラン(Court Suzanne Lenglen)で難なく第1セットを先取すると、第2セットでも1度のブレークを許したのみで、世界ランク74位のガバシュビリを圧倒した。

 第3セットも同様の展開で、5-1のリードを奪った錦織が、3度目のマッチポイントを冷静に制して、ガバシュビリ戦でバルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell 2015)に続く勝利を決定づけた。

 ガバシュビリの3倍以上となる40本のウイナーをたたき込んだ錦織は、今季のクレーコートでの戦績を13勝2敗に伸ばした。

 錦織は、ツォンガとの対戦成績を4勝1敗としているものの、これはすべてハードコートで行われた試合となっている。(c)AFP/Dave JAMES