【5月31日 AFP】中国人民解放軍の孫建国(Sun Jianguo)副総参謀長は31日、シンガポールで開催されているアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ、Shangri-La Dialogue)で演説し、南シナ海(South China Sea)で中国が進めている岩礁埋め立ては主権の行使であり、国際的責務を果たすためだと主張し、米国の非難を受け入れない姿勢を示した。

 孫氏は「南シナ海情勢は全体的に平和で安定しており、航行の自由に関する問題は全く発生していない」と語った上で、「中国は南シナ海の一部の島と岩礁で建設を行っているが、主な目的はそれらの島や岩礁の機能と、現地に駐留している要員の業務・生活環境の改善だ」と述べた。

 孫氏はまた、中国が国防上のニーズに対応するばかりではなく、海上の捜索救難活動、防災支援活動、海洋科学調査、気象観測、環境保護、航行の安全、漁業などの分野おける国際的責務をより良く履行できるよう努力していると付け加えた。

 アジア安保会議では前日、アシュトン・カーター(Ashton Carter)米国防長官が中国による岩礁埋め立ては国際基準から「逸脱している」との認識を示し、埋め立ての即時中止を求めていた。(c)AFP