【5月31日 AFP】インド政府当局は30日、同国で数週間続いた熱波による死者が2000人を超えたと発表した。

 同国南部のアンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)とテランガナ(Telangana)両州では、5月中旬以降、熱波による死者が計1979人を記録。東部オリッサ州(Orissa)で17人、他地域全体で9人が死亡し、同国内の死者数合計は2005人に達した。

 インドでは毎年真夏になると、貧しい人々を中心に数百人が死亡するが、国際災害データベースEM-DATによると、今回インドを襲った熱波による死者は2541人が死亡した1998年に次ぎ同国史上で2番目、全世界でも史上5番目の多さだった。

 被害の大きいアンドラプラデシュ、テランガナ両州では熱波から身を守るための教育キャンペーンを実施している。テランガナ州の災害管理責任者を務めるB.R.ミーナ(B.R. Meena)氏は、パンフレットや地元メディアを利用し、外出を避けたり、十分な水分を摂取するよう人々に促している。

「当州での死者数は現在までで合計489人。熱波がやや弱まったことと、当局による教育キャンペーンの成果で、28日から熱波による死者は出ていない」とミーナ氏は語る。

 また5月中旬以降、死者1490人を記録した隣接するアンドラプラデシュ州でも、熱波の対処方法を伝える広報キャンペーンを実施している。同州の災害管理責任者トゥルシ・ラニ(P. Tulsi Rani)氏は、「ここ数日で、死者は明らかに減少した」とAFPに話した。

 このところの暑さのため305人が死亡した同州プラカサム(Prakasam)地区の保健当局者は、ここ数日間で状況は改善し、熱中症の症状で病院を訪れる人も減少したと話す。

 インドでは30日、各地で最高気温が45度を記録しした。首都ニューデリー(New Delhi)の天気予報では、インドのいくつかの州で今週も高い気温が続くと警告している。南部のケララ(Kerala)州では今週にもモンスーンによる雨期が始まると予報されているが、インドの乾燥地帯に雨が降るのは数週間先だとみられている。(c)AFP