【5月28日 AFP】世界自然保護基金(WWF)は、東南アジア・メコン川(Mekong River)流域の大メコン圏(Greater Mekong)で2014年に見つかった動植物139種を最新の報告書で発表した。リストには、児童文学「ハリー・ポッター(Harry Potter)」に登場するキャラクターの名前にちなんで名付けられたカリバチや、体長50センチのナナフシなどが含まれている。

 WWFの報告書によると、新たに見つかった種の多くは、道路やダムの新規建設工事や、野生動物の肉や高級木材に対する地域の高い需要などからの脅威にさらされているという。

 東南アジアは、生物多様性の「宝庫」とされ、1997年~2014年には、週平均3種のペースで新しい生物が発見されている。

 タイで発見された新種のカリバチは、恐ろしい捕食能力を持つことから、「ハリー・ポッター」に登場するキャラクターの吸魂鬼(ディメンター)にちなんで「Ampulex dementor」と命名された。このハチが持つ毒は、獲物を生けるしかばねの「ゾンビ」のようにする効力があるとされ、毒を注入された獲物は、まだ生きているうちに食べられてしまうのだという。

 隣国のベトナム北部では、体長54センチのナナフシが人が居住するエリアから1キロも離れていない場所でみつかった。タイの首都バンコク(Bangkok)では、有名なチャトチャック市場(Chatuchak Market)で売られていたラン2種が新種と確認されている。

 同リストは、その大半を植物が占めているが、それ以外にも、爬虫類23種、両生類16種、魚類9種、ほ乳類1種なども含まれている。

 大メコン圏は、タイやカンボジア、ミャンマー、ベトナム、ラオス、中国南西部雲南(Yunnan)省で構成されている。(c)AFP