【5月28日 AFP】世界で飢餓に苦しむ人々が、国連(UN)が統計を取り始めてから初めて、8億人を下回った。国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganisationFAO)が27日に発表した年次報告書で明らかになった。

 FAOによると、世界の飢餓人口は約7億9500万人で、1990年~1992年より2億1600万人減少した。

 FAOのジョゼ・グラジアノ・ダシルバ(Jose Graziano da Silva)事務局長は、「ミレニアム開発目標(Millennium Development GoalsMDG)での飢餓削減の目標達成に近づいたことは、われわれが生きている間に、飢餓という災厄の廃絶が本当に可能だということを示している」と述べた。

 報告書によると、発展途上諸国では栄養不良の割合が、25年前と比べ、人口の22.3%から12.9%へ減少した。

 FAOが監視した129か国のうち72か国が、今年までに栄養不良の割合を半減させるという「ミレニアム開発目標」を達成した。発展途上地域全体としては目標達成に及ばなかったが、その差はほんのわずかだ。

 食糧安全保障の改善は、世界人口が1990年以降に19億人増加し、それだけ食糧消費人口が増えたことを考えると、際立った成果だとFAOは主張している。(c)AFP/Angus MACKINNON