「KO」パフォに「ダチョウ」発言、プレミア珍エピソード
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【5月29日 AFP】マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)主将のウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)のKOパフォーマンスから、レスター・シティ(Leicester City)のナイジェル・ピアソン(Nigel Pearson)監督の「ダチョウ」発言まで、2014-15シーズンのプレミアリーグも脱力系の出来事にたっぷり恵まれた。
AFPは、笑いを誘った今シーズンの珍エピソード五つを紹介する。
■ルーニーのKOゴールパフォーマンス
ルーニーは、元チームメートのフィル・バーズリー(Phil Bardsley)と自宅キッチンでふざけてボクシングをしている間にパンチを受けて倒れるという動画が流出し、3月にメディアに大々的に取り上げられた。
するとルーニーは、その後行われたトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)戦でゴールを決めると、コーナーフラッグへ駆け寄ってパンチを繰り出し、動画と同じように、ピッチへ仰向けに倒れ込んだ。こうしてルーニーは、皮肉を込めたゴール・セレブレーションで、この話を自分のものにしたのだった。
■モウリーニョ監督の緻密な作戦は…失敗
3月、トッテナムとのキャピタル・ワン・カップ(Capital One Cup 2014-15)決勝を控えたチェルシー(Chelsea)のジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は、選手をこの試合に集中させるため、同日の早い時間に行われるリーグ2位マンチェスター・シティ(Manchester City)対リバプール(Liverpool FC)の試合や結果を確認しないよう、選手たちに言い渡していた。
ところが、ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)での試合を制した後、モウリーニョ監督は、自らの慎重に練り上げた計画が実は破綻していて、選手たちは、シティが1-2で負けたという結果を試合前に知ってしまっていたことを明かした。
しかもその原因というのが、チームのGKコーチを務めるシルヴィーノ・ロウロ(Silvino Louro)氏がシティ敗戦の報に興奮し、うっかりそれを知らせるような行動を取ってしまったからだった。
モウリーニョ監督は、「私は選手たちに、ミッション・インポッシブルを用意した。つまり、シティ戦の結果を追わないことを求めたんだ。シティのことは忘れろとね」と話した。
「私は完全なる静寂を求めた。結果がわかるような反応は、誰にもしてほしくなかった。そして、作戦はうまくいっていた。ところが1人、バスに跳び乗ってきたスタッフがいたんだ。シルヴィーノさ。あいつを殺してやりたいよ。私のスタッフがルールを破るとは!」
■ミスに報いを受けたジョーンズ
5月に行われたアーセナル(Arsenal)との一戦で、マンチェスター・ユナイテッドのDFフィル・ジョーンズ(Phil Jones)は足を滑らせ、アーセナルのFWオリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)にボールをプレゼントしてしまった。
ジルーはほぼ得点するかに思われたが、その変顔で名をはせるジョーンズは地面すれすれで、自分の顔をボールめがけて投げ出すという革新を生み出した。結局ボールはジルーの足に当たって跳ね返り、ユナイテッドはスローインを獲得。映像はインターネットで瞬く間に拡散した。
■ピアソン監督の「ダチョウ」事件
ピアソン監督は、4月に本拠地で1-3と敗れたチェルシー戦後の記者会見で記者に向かって「ダチョウ」とキレて、珍妙な批判を繰り広げた。
ピアソン監督はまず会見で、選手たちは「批判やネガティブな空気」とずっと付き合わなければならなかったと発言。これに対し、AFP向けに取材していたイアン・ベイカー(Ian Baker)記者が、もう少し詳しくと尋ねた。
すると、チームが残留争いの真っ最中だったピアソン監督は、「お前はこの半年、バカンスにでも行ってたのか?ここへ来るのは半年ぶりなのか?」と応じた。
「そういう質問ができるあんたの気がしれない。私がこれまで、何をしてきたか知らないって言ってるのと同じだぞ。もし答えを知らないっていうんなら、あんたはダチョウだ。ずっと現実逃避してたに違いない」
ピアソン監督はさらにベイカー氏の声まであげつらい、「バカ丸出し」だと評したが、後に発言を謝罪した。
■ファン・ハール劇場
マンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督が、シーズン終了間際のチーム年間表彰式で披露したエキセントリックなスピーチが、ソーシャルメディアで話題になった。
63歳の指揮官は、クラブの公式テレビチャンネルで放送された式典で7分間の独演会を敢行。そして、主将のルーニーがチームメートを鼓舞し、2位を目指そうとハッパをかけたミーティングに話が及ぶと、いきなり拳を宙に突き上げ、「イエス!」とほえた。
スピーチを終えたはずが再び壇上へ舞い戻ると、司会者の言葉をさえぎって「おい、おい、監督を無視しないでくれ!」と叫び、さらには、女性のサックス奏者への拍手がないと観客を叱責。
「素晴らしいサックスの演奏をする女性だ。皆さん大きな拍手を!」
元ユナイテッド主将のギャリー・ネビル(Gary Neville)氏は、「LVG(ファン・ハール監督)が大笑いさせてくれた。すごいエンターテインメントだ!指折りの20分間だったな」とツイッター(Twitter)でつぶやいた。(c)AFP