【5月26日 AFP】25日、フランス・パリ(Paris)発米国ニューヨーク(New York)行きの仏航空大手エールフランス(Air France)の旅客機に対する脅迫電話があり、米軍戦闘機が緊急発進してこの旅客機を空港に誘導する騒ぎがあった。同日、米国行きの複数の旅客機に対して脅迫が相次いだが、虚偽であることが確認された。

 米国とカナダが共同運営する北米航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense CommandNORAD)は警戒措置として、F15戦闘機2機を緊急発進させ、エールフランスAF022便を誘導し、ニューヨークのケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)に着陸させた。

 米連邦捜査局(FBI)によると、着陸と同時に旅客機は調べられ、脅迫は虚偽だったことが判明したと発表した。

 ある関係者の話によると、最初に脅迫電話を受けた後、同便の乗員と直ちに連絡がつかなかったため、戦闘機の緊急発進につながったとしている。またこの関係者はAFPに対し、25日にはこれを含めて、米行きの複数の旅客機に対して10件もの脅迫があり、いずれも同一人物によるものとみられると明かした。

 脅迫を受け、同じく同国際空港に到着したサウディア(Saudi Arabian Airlines)の旅客機も検査されたが、これも虚偽だったことが後に確認された。

 米テレビABCニュース(ABC News)がウェブサイトで伝えたところによると、英国のロンドン(London)とスペイン・マドリード(Madrid)から、米ニュージャージー(New Jersey)州ニューアーク(Newark)に向かっていたデルタ航空(Delta Air Lines)とユナイテッド航空(United Airlines)の便も(脅迫の)標的にされたという。

 さらに、英バーミンガム(Birmingham)からケネディ国際空港に向かっていたアメリカン航空(American Airlines)の便も影響を受けたという。しかしこの便に対する脅迫は直ちに信ぴょう性がないと判断され、旅客機は予定通り着陸した。(c)AFP