【5月26日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2015)は25日、男子シングルス1回戦が行われ、大会第4シードのトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)は6-0、7-5、6-3で西岡良仁(Yoshihito Nishioka)を一蹴した。

 西岡の敗退により、男子シングルスの日本勢で生き残っているのは第5シードの錦織圭(Kei Nishikori)だけとなった。

 四大大会(グランドスラム)初出場となった昨年の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2014)では体調不良のため1回戦を途中棄権していた西岡だったが、この日は悲惨なスタートから立ち直ると、チェコのスター選手を相手に果敢に立ち向かった。

 第1セットは30分足らずでベルディハが先取したが、第2セットに入ると、西岡が最初のサービスゲームを取り、次のゲームではブレークポイントを迎える場面もあった。

 しかし、ベルディハが形勢を逆転してサービスキープに成功。同セットを47分間で制して2010年大会4強入りの実力をみせつけると、西岡の闘志あふれるパフォーマンスは、むなしくねじ伏せられてしまった。

 西岡は、第3セットの序盤に3度のブレークポイントを握られながらも、ベースラインから絶妙なロブを上げてベルディハのミスを誘うなど、決して諦めない姿勢をみせた。

 しかし、最後はベルディハが格の違いをみせつけ、第9ゲームでマッチポイントを制した。

 2回戦で同胞のラデク・ステパネク(Radek Stepanek)と対戦することが決まったベルディハは、先輩として西岡にアドバイスを贈った。

「第2セットは接戦だった。チャンスをうかがいながら、リズムをつかもうと、できるだけクリーンなショットを心がけていた」

「それだけだ。彼(西岡)はとても才能のある若手で、よく動けている。でも、将来もっと上のレベルで戦うためには、力強さが確実に必要になってくる」

 一方の西岡は、序盤で優位に立つ場面がありながらも、ベルディハが試合を挽回するチャンスを与えてくれたなかったことを認めた。

 14歳から米フロリダ(Florida)を拠点にトレーニングを行っている西岡は、たどたどしい英語で、「第1セットはすごく緊張していたので、あっという間でした。でも、その後は少し肩の力が抜けました」とコメントした。

「何度かチャンスはありましたが、簡単には取らせてくれませんでしたね。手応えはあったので、これからもっとトップ10選手との試合を重ねていけば、セットを奪うことや、もっと(相手を)追い詰めるプレーもできると思います」

(c)AFP/Andy SCOTT