【5月25日 AFP】15F1第6戦モナコGP(Monaco Grand Prix 2015)は24日、決勝が行われ、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)が史上4人目となる3連覇を飾った。

 一方、終盤まで自分のレースを展開していたロズベルグの同僚ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、F1史上でも最大級の戦略ミスに泣き、まさかの3位フィニッシュとなった。

 レース63周目に、トロ・ロッソ(Toro Rosso)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)のクラッシュを受けてセーフティーカーが導入されると、メルセデスはハミルトンに、予想外かつ不必要なピットストップを指示した。

 後続に21秒差をつけていたハミルトンは、指示に従ってピットインしたものの、コースに戻ったときには3位に転落していた。そして、残り8周でレースが再開されると、ロズベルグ、そして先行したフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)を抜いて今季4勝目を挙げることは、もはや不可能だった。

 ピットインの前後で運命が180度変わったハミルトンは、「僕は負けた。そうだよな?」とコメントした。

「いったい何が起きたんだ?」

 チームはすぐさま自分たちの判断ミスを謝罪したが、全78周中62周までリードして走っていたハミルトンが勝てなかったことで、今回のレースはハミルトン本人のみならず、観客にとっても、スポーツとしてフェアな結果にはならなかった。

 一方、幸運を存分に生かして大差で勝利したロズベルグは、これで今季2勝目を挙げ、ドライバーズタイトルでも首位ハミルトンとの差を10ポイントに縮めている。

 さらにロズベルグは、英国のグラハム・ヒル(Graham Hill)氏、フランスのアラン・プロスト(Alain Prost)氏、ブラジルのアイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏に続き、モナコGP3連覇を達成した。

 自身初のグランプリ連勝が転がり込んだロズベルグは、「とってもうれしいよ。だけど、すごく運が良かっただけなのは分かってる。ルイスは最高の走りをしてたし、もちろん、本来なら勝つべきは彼だった。ただ、レースではこういうことが起こり得る」と話した。

「運に恵まれたのは分かっている。とにかく今は、この勝利を喜ぶよ…」

 メルセデスのニキ・ラウダ(Niki Lauda)氏は、チームはミスを謝罪したと話し、「ああ、その通りだ…どうしてあんなことになってしまったのか。まったくもってわけがわからない。誤った判断だった」とコメントした。

 チームの責任者であるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)氏も、「チームを代表して謝罪する。あれは間違いだった」とコメントした。

 4位にダニール・クビアト(Daniil Kvyat)、5位にダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)のレッドブル(Red Bull)勢が続いた。

 そして6位にはフェラーリのキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)、7位にはフォースインディア(Force India)のセルジオ・ペレス(Sergio Perez)が入っている。

 また、苦しい戦いが続くマクラーレン・ホンダ(McLaren-Honda)は、ジェンソン・バトン(Jenson Button)が8位に入賞し、今季8戦目で初めてポイントを獲得した。

 ザウバー(Sauber)のフェリペ・ナスル(Felipe Nasr)が9位に、そして驚いたことに、ピットレーンからスタートしたトロ・ロッソのカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)が、10位入賞を果たして1ポイントを獲得している。(c)AFP