【5月23日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の会長選に出馬した候補が脅迫メールの標的にされていたと、23日、報じられた。

 現職のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長の対抗馬として立候補したヨルダン出身のアリ・ビン・アル・フセイン(Ali Bin Al Hussein)王子と、立候補後に出馬を取りやめたミカエル・ファン・プラーク(Michael van Praag)氏は、ケニアを拠点とする詐欺師らから、ブラッター会長が両氏の機密情報を収集していたという申し出を受けた。

 シンガポール紙のニュー・ペーパー(The New Paper)、オランダ紙のフォルクスクラント(De Volkskrant)は、ブラッター会長主導による組織的な中傷が行われているという情報提供の代わりに、詐欺師らが金銭を要求したと伝えている。

 ニュー・ペーパー紙によると、ただ一人の対立候補となっているアリ王子、そしてファン・プラーク氏はともに、このアプローチを認めているという。

 アリ王子の広報担当は同紙に対し、「同じ主張をしてくる人物が何人も名乗り出てきた。彼らや、その情報を見極めることができると考え、対話を行う準備をしていた」とコメントしている。

 詐欺師らによると、インドに拠点を置く警備会社の重役が、アリ王子の調査報告書をブラッター会長の娘のコリーン(Corinne Blatter)氏に提出したという。

 しかしながら、ニュー・ペーパー紙が取材を行ったところ、インドの警備会社もコリーン氏もこの情報を否定し、策略に陥れられたと主張している。

 コリーン氏は、「背後に誰がいるのか分からないですが、確実に父の評判を傷つけようとしています」とコメントし、警備会社の匿名の調査員も「こんな手の込んだペテンで、誰がはめようとしているのか分からない。どちらにしろコリーン・ブラッターさんと仕事をしたことはない」と述べている。

 報道によると、電子メールでの申し出の中身は偽物ではなかった様子だったものの、警備会社の電話番号やメールアドレスといった詳細は間違っていたという。(c)AFP/Talek HARRIS