【5月22日 AFP】メキシコの首都メキシコ市(Mexico City)で21日、太陽の周りに光の輪が現れる光学現象「暈(かさ)」が見られ、当局には不吉なことが起きる前兆なのではと心配する人からの問い合わせが多数寄せられたという。一方、インターネット上には、UFO説や政府陰謀説など、冗談めいたコメントが多数投稿された。

 メキシコの国立測候所の担当者は、「悪い兆候と考えて怯えた人からの電話が30件くらいあり、その他にも予想以上の降水があるのではとの声も多く寄せられた。そのたびに『直視しなければ何も問題ない』と何度も繰り返さなければならなかった」とため息交じりに語った。

 しかし、科学に基づいた説明も、ソーシャルメディアに意見を投稿した人々にとっては何ら意味を持たなかったようだ。

「ついに宇宙人がやってきた! 旅に出る前にサンドイットを準備しないと」といった冗談めいたコメントがフェイスブック(Facebook)に投稿されたほか、ツイッター(Twitter)には、6月7日に実施される下院議員中間選挙および統一地方選挙を前に有権者らを失明させようとする政府の陰謀だとしながら「選挙を前にして現れた太陽の光の輪…偶然なのか? 私はそうは思わない」との書き込みもあった。

 科学者らの説明によると、この自然現象は、太陽からの光が氷の結晶を通過する際に発生するものだという。国立測候所の担当者は、「一般的によく見られる現象だ。おそらく、人々があまり空を見上げていないということだろう」と語っている。(c)AFP