【5月22日 AFP】コロンビア北西部アンティオキア(Antioquia)州の町ラマルガリタ(La Margarita)を大規模な地滑りが襲った時、11か月のホセット(Jhoset)ちゃんはベビーベッドの中で眠っていた。泥の壁はあらゆるものを押し流し、母親の命も奪ったが、ホセットちゃんは生き延びた。

 18日未明にリボリアナ(Liboriana)川が氾濫して発生した地滑りで、これまでに少なくとも84人が死亡し、町はほぼ全滅した。

 寝ていた場所から1キロ離れた泥の中でうつ伏せになっていたホセットちゃんを救助作業員が見つけた。体のあちこちに打撲の跡や擦り傷があったが、しっかりと生きていた。

 ホセットちゃんのいとこのナタリア・リンコン(Natalia Rincon)さんはこう語っている。「平らな土手まで流されたようです。ぬかるみの中にいるのを、ある男性が見つけてくれました。手足を動かし、小さな体でうつ伏せのままはうような様子を見せていたそうです。顔が下になっていて、泥から出ようともがいていました」

 この地滑りでホセットちゃんの親族の多くが犠牲になった。想像を絶する壊滅的被害の中ホセットちゃんが生き延びたことは、親族の心に唯一の明るい光をもたらした。

 リンコンさんはAFPの取材に対し、「奇跡どころの話ではありません。親族15人が被害に遭った大惨事で、この子が生きて見つかったのです。どれだけ大きな奇跡か考えてみて下さい」と語った。