【5月21日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の前指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者は、潜伏中に陰謀論とフランスに関する書籍を多く読んでいたらしいことが、米国家情報長官室(Office of the Director of National IntelligenceODNI)が機密指定解除を受け公開した文書で20日、明らかになった。

 公開された「ビンラディンの書棚」と題された英語書籍のリストによると、2011年に米軍の急襲によりビンラディン容疑者が殺害されたパキスタンの隠れ家からは、米著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード(Bob Woodward)氏の著作や、米言語学者ノーム・チョムスキー(Noam Chomsky)氏の著書が見つかった。

 このほか、リストにはフランス経済史の本や、「Did France Cause the Great Depression?(大恐慌を引き起こしたのはフランスか?)」と題した未発表の研究論文の原稿、フランス軍の医療制度や軍需産業などに関する文書も含まれている。

 リストに掲載された書籍の約半数はさまざまな陰謀説に関するもので、2001年9月11日の米同時多発テロ事件の首謀者をビンラディン容疑者とする公式発表に疑問を呈する書籍も複数あった。

 その中には、陰謀論者のデービッド・レイ・グリフィン(David Ray Griffin)氏著の「9・11事件は謀略か―21世紀の真珠湾攻撃とブッシュ政権(The New Pearl Harbor)」や、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)否定論者として知られるユースタス・マリンズ(Eustace Mullins)氏が記した「民間が所有する中央銀行―主権を奪われた国家アメリカの悲劇(The Secrets of the Federal Reserve)」などがあった。(c)AFP