【5月21日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の前指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者を2011年5月2日にパキスタンで米軍の特殊部隊が奇襲作戦で殺害した際、押収された数千の書類のうち、100以上の文書や記録が20日、機密指定を解除され公開された。

 この文書と記録は、公開前にAFPに独占的アクセスが与えられた。公開された文書は現在、米国家情報長官室(Office of the Director of National IntelligenceODNI)によりオンラインで公開されている。公開された文書は原本の英語翻訳版。

 戦略的および神学的議論から資金調達や安全対策の詳細までを含む記録には、2001年9月11日の米同時多発テロ事件の首謀者とされるビンラディン容疑者が、再度の対西側攻撃に専念していた様子が示されている。

 同容疑者は手紙の中で、「米国民とその代表者らを攻撃し殺害することに集中しなければならない」と書いている。

 ビンラディン容疑者は、無人機による攻撃で同組織の幹部たちが失われていくのを気にかけ、繰り返しセキュリティー問題に触れ、連絡に電子メールを使用しないよう忠告している。また支援者らが大人数で会合を開くことを叱り、妻の服に仕掛けられた極小の盗聴器にいら立ちを示している。

 また、ODNIは、ビンラディン容疑者の潜伏先で見つかった英語の書籍と記事のリストも公開した。

 情報当局者らによると、PDFファイルの「書棚」の内容からうかがわれるのは、ビンラディン容疑者は西側に幅広い崩壊をもたらすことを狙い、フランス経済に対する攻撃を計画していた可能性があることだ。

 同容疑者は、中東諸国政府との紛争は、真の敵、米国に対する猛攻の邪魔になると警告。「われわれは、すべての地域、特にイエメンの軍と警察に対する作戦を中止すべきだ」と書いている。

 情報アナリストは「ビンラディンは死ぬまで大規模作戦に集中しつづけたが、他のアルカイダ指導者らは小規模作戦、つまり一匹狼的なテロ攻撃の方が、西側に経済的な打撃を与えることができると考えていた」と述べている。(c)AFP/Dan De Luce