【5月20日 AFP】英国のチャールズ皇太子(Prince Charles、66)は19日、アイルランドを訪問し、英王族として初めてシン・フェイン党(Sinn Fein)のジェリー・アダムズ(Gerry Adams)党首(66)と面会し、握手を交わした。

 同党は英国の北アイルランド(Northen Ireland)のカトリック過激派で、現在は活動していないアイルランド共和軍(Irish Republican ArmyIRA)の政治組織。チャールズ皇太子の大叔父マウントバッテン卿(Earl Mountbatten)は1979年、IRAに暗殺されている。

 チャールズ皇太子は同日から2日間の日程でアイルランドを訪問。同国西部のゴールウェー(Galway)のアイルランド国立大学(National University of Ireland)を訪れ、大学構内でアダムズ党首と会った。

 両者は公の場で握手し、その後アダムズ党首の求めに応じる形で15分間の非公開の会談を行った。会談後に同党首は、30年に及び約3500人の犠牲者を出した流血の北アイルランド紛争について両者が「遺憾の意」を表したと述べた。

 アダムズ氏は「(和解)プロセス全体を前進させる必要性、そして癒やしの必要性についてについて話し合った」と明かすとともに、この会談について「間違いなく彼(皇太子)にとっては大きなことであり、またわれわれにとっても大きなことだった」と語った。

 IRAは1979年、チャールズ皇太子が敬愛していた大叔父でゴッドファーザー(教父)、また相談相手でもあったマウントバッテン卿を暗殺。アダムズ党首は、当時自身がIRAの指導的地位にいたとする見方については一貫して否定している。

 チャールズ皇太子は今回のアイルランド訪問中に、マウントバッテン卿の暗殺場所も訪問することになっている。(c)AFP/Paul FAITH with Conor BARRINS in Dublin