【5月19日 AFP】(写真追加)北朝鮮の大同江スッポン養殖場(Taedonggang Terrapin Farm)で働く労働者たちは、自分たちにも甲羅があれば、その中に首をひっこめられるのにと思ったことだろう──視察に訪れた金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記が、施設の運営状況に激怒したためだ。

 朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」の1面に大きく掲載された写真には、養殖タンクがある建物の中で、明らかにいらだった様子の正恩氏が、突き出した指を振りながら現場幹部たちを叱責する姿が写っている。国営朝鮮中央通信(KCNA)によれば、正恩氏はこの視察中「工場幹部の欠点が、無能さ、時代遅れの考え方、無責任な仕事ぶりに表れている」と酷評した。正恩氏は特に、自らの父、故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の主導で創設された工場で、さまざまな欠陥を見つけたことに憤ったようだった。

 正恩氏は、父や祖父と同様に毎年、北朝鮮各地で多くの民間施設や軍部隊を視察し「現地指導」を行っている。その一つ一つを国営メディアが報じているが、通常はにこやかに「専門的な助言」を与える正恩氏の姿を写した映像が多く、今回のような厳しい表情のものは少ないため、今回叱責された人々が戦々恐々としていることは疑いがない。(c)AFP