【5月15日 AFP】第98回ジロ・デ・イタリア(2015 Giro d'Italia)は14日、第6ステージ(モンテカティーニ・テルメからカスティリオーネ・デッラ・ペスカーイア、183キロメートル)が行われ、ロット・ソウダル(Lotto Soudal)のアンドレ・グライペル(Andre Greipel、ドイツ)が優勝した。一方、ティンコフ・サクソ(Tinkoff-Saxo)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)は落車で肩を脱臼し、今後の総合首位(マリアローザ)の座が危ぶまれている。

 ゴール直前の最後のスプリントで落車しながらも、どうにか総合首位を守ったコンタドールは、左肩の痛みがあまりに激しく、表彰式ではマリアローザを着ることができなかった。

 コンタドールの広報担当者はAFPに対して、「医師の指示に従い、彼は一晩中、腕を固定することになる」と語った。

 広報担当者はまた、観客のカメラが引き起こした今回の衝突事故で膝も負傷した32歳のコンタドールが、レースを続行する決断を下したと明かしている。

「彼は包帯で腕を支えながら、懸命にレースをスタートすることになるだろう」

「彼(コンタドール)は、(膝の)けがは大したことはなく、ほとんど痛みはないと言っていた」

「骨折はしていない。昨年のツール・ド・フランス(2014 Tour de France)と比べれば、それほど深刻な事故ではない」

 コンタドールは、昨年のツール・ド・フランスで足を骨折し、途中棄権を余儀なくされたものの、第69回ブエルタ・ア・エスパーニャ(69th Vuelta a Espana)では総合優勝を果たしている。

 2008年大会の覇者であるコンタドールは、同じ年にジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスを制する史上8人目の快挙を目指している。

 総合順位では現在、首位と2秒差の2位にアスタナ(Astana Pro Team)のファビオ・アール(Fabio Aru、イタリア)、同20秒差の3位にスカイ(Sky Pro Cycling)のリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)がつけている。

 フィニッシュラインまで残り200メートルに迫っていたコンタドールは、コースの反対側で落車して腕を骨折したNIPPO・ヴィーニファンティーニ(NIPPO Vini Fantini)のダニエーレ・コッリ(Daniele Colli、イタリア)がきっかけでドミノ倒しとなった事故に巻き込まれてしまった。

 コッリの落車を誘発したのは、フェンスから身を乗り出した観客のカメラのズームレンズで、10日の第2ステージでも自転車に乗った観客が多重クラッシュを引き起こす原因となっていることから、再びセキュリティに対する疑問が投げかけられている。

 大会規則では、山の頂上でのゴールは例外として、最後の3キロで落車や事故が発生した場合、タイム差はニュートラルにすると定められている。

 トスカーナ(Tuscan)地方で行われたこの日のレースは落車が起きた直後、どうにかグライペルが4時間19分42秒でフィニッシュラインを通過すると、IAMサイクリング(IAM Cycling)のマッテオ・ペルッキ(Matteo Pelucchi、イタリア)が2位、ランプレ・メリダ(Lampre-Merida)のサーシャ・モドロ(Sacha Modolo、イタリア)が3位に続いた。(c)AFP