【5月14日 AFP】アフリカ中部ブルンジで軍高官がピエール・ヌクルンジザ(Pierre Nkurunziza)大統領政権の転覆を宣言した問題で、国軍のプライム・ニヨンガボ(Prime Niyongabo)参謀長は14日未明、クーデターの企ては失敗に終わったと発表した。ただ、反大統領派はこの発表を否定している。

 ブルンジではヌクルンジザ大統領の3選を目指す大統領選立候補に抗議する激しいデモが数週間にわたって続いていた。こうした中、大統領の任期延長に反対して今年2月に解任されていた前情報機関長官のゴドフロア・ニヨンバレ(Godefroid Niyombare)少将が13日、クーデターを宣言。首都の空港と国境の閉鎖を命じ、「多数」の軍や警察高官の支援を受けていると述べた。

 しかし、ニヨンガボ参謀長は国営ラジオで「ニヨンバレ少将によるクーデターの試みは阻止された」と発表。大統領と大統領府は大統領派の統制下にあると明言し、「反逆者に投降を呼び掛けている」と述べた。

 だが、反大統領派の広報を担うベノン・ヌダバネゼ(Venon Ndabaneze)警視総監は、ニヨンガボ参謀長の主張は虚偽だと反論するとともに、首都の空港をはじめとする複数の施設を反大統領派が掌握していると主張した。

 ヌクルンジザ大統領は、クーデター宣言後に周辺国首脳との会談のため訪問していたタンザニアから帰国しようとしたが、空港が反大統領派に制圧されていたため着陸できないまま、現在は所在が分からなくなっている。(c)AFP/Esdras NDIKUMANA