【5月13日 AFP】(一部更新、写真追加)パキスタン南部にある同国の最大都市カラチ(Karachi)で13日、イスラム教シーア派(Shiite)の教徒が乗っていたバスを武装集団が襲撃し、少なくとも43人が死亡、13人が負傷した。警察当局が明らかにした。現場からは、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」を支持する内容の犯行声明文が書かれたビラが見つかったという。

 地元シンド(Sindh)州の警察長官は報道陣に対し「3台のバイクに分乗した6人のテロリストがバスに乗り込み、無差別に発砲を始めた。使っていたのは9ミリ拳銃で、犠牲者はすべてこの9ミリ拳銃で撃たれた」と語った。

 人口約2億人の大半をイスラム教徒が占めるパキスタンだが、シーア派はそのうちの約20%と少数派。近年は宗派間抗争が増えており、今年1月30日には南部シカルプル(Shikarpur)のシーア派モスク(イスラム礼拝所)で男が自爆し、61人が死亡する事件が起きていた。

 治安当局者はAFPの取材に、今回の事件現場から破れて血まみれの状態で発見されたビラに、ISの名の下に犯行を認める文章が書かれていたことを明らかにした。カラチで起きた襲撃事件の現場でこのようなビラが発見されたのは、この数か月で2回目。

 4月16日にカラチのジンナー医科歯科大学(Jinnah Medical and Dental College)の教員だった米国籍のデブラ・ロボ(Debra Lobo)さんが銃撃された事件でも、警察当局は同様のビラを記者団に公開していた。だが専門家はこれらのビラの信ぴょう性に疑問を抱いている。(c)AFP