【5月12日 AFP】香港(Hong Kong)の柴湾(Chai Wan)で10日、野生のイノシシがショッピングモールに迷い込み、客や店員が避難する騒ぎがあった。当局者が11日、明かした。

 柴湾にあるショッピングモール内の子供服店に体重25キロ、体長約90センチの雌のイノシシが迷い込んだ。警察の報道官によると、「野生のイノシシが店内に迷い込み、客らが警察に通報した。警察が到着した際、店員と客は避難していた。イノシシはその後、隠れ場所を探して店内の屋根裏に上がった」という。

 香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)によると、約10人の警察官が現場で対応に当たったが「こう着状態」は数時間におよび、その間、イノシシは試着室に入ったり、マネキンを倒しこれにかみついたりしたという。

 最終的にイノシシは麻酔で眠らされ、動物保護施設に移送された。今後、野生に返される見通し。サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、香港で同日起きたイノシシの「侵入」はこれが2件目で、別の1頭はセン湾(Tsuen Wan)区の公園の人工湖を泳いでいたところを発見され、麻酔で眠らされた後、野生に戻された。

 高層ビルなどが密集する香港だがその面積の40%を公園や自然保護区が占めており、ヘビなどの野生動物が都市部で目撃されるのは珍しいことではない。イノシシは人間に向かってくることで知られており、当局はイノシシに近づかないよう呼びかけている。(c)AFP