【5月7日 AFP】米テキサス(Texas)州で開かれたイスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画イベントが標的にされた発砲事件で、警察に射殺された容疑者2人のうちの1人が、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の米国人支援者に繰り返し連絡を取っていたことが、テロ専門家らの話によって明らかになった。

 事件で死亡したエルトン・シンプソン(Elton Simpson)容疑者は、ISに加わってソマリアで戦闘に参加している疑いのある米国籍のモハメド・アブドラヒ・ハサン(Mohamed Abdullahi Hassan)容疑者と、ツイッター(Twitter)上で連絡を取り合っていたとされる。

 米民間情報機関「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」によると、ハサン容疑者は「ムジャヒド・ミスキ(Mujahid Miski)」と名乗り、シンプソン容疑者と攻撃について話し合っていたとみられる。こうしたやりとりには、公開ツイートの他、非公開のメッセージによるものも含まれる。

 別の団体「過激派対策プロジェクト(Counter Extremism Project)」のテロ専門家デービッド・イブセン(David Ibsen)氏は6日、AFPの取材に対し、ハサン容疑者がオンライン上のコメントで、今年1月にパリ(Paris)の本社がイスラム過激派による銃撃を受け12人が死亡した仏風刺紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)に触れ、「米国の人々も同じような事件を起こさなければならないと話していた」と述べた。

 シンプソン容疑者が使用していたとされるアカウント(現在は凍結されている)は事件前、ISに同調する多数のメッセージを投稿したり支持したりしていた他、紛争地のIS戦闘員とされる人々と連絡を取り合っていた。

 米連邦捜査局(FBI)が入手し、米ABCテレビが報じた資料によると、両容疑者の間の非公開メッセージのやりとりは、テキサス州で事件を起こす前のシンプソン容疑者がシリアに渡航して戦闘に加わる用意があったことを示していたという。(c)AFP