■「男女比の不均衡」

 劉さんがラブドールを購入した北京の「Micdolls」の販売員、李さんは、「ほとんどの人は、人間の女性よりも人形の方が魅力的だと思っている」と誇らしげに話した。

 人形は髪の毛のない状態で売られていて、顧客は自分の好みに合ったウィッグを購入する。一部の人形は「156」よりもかなり身長が低く、子どもサイズと言ってもいいくらいで、李さんによると「利便性」のためだという。顧客はたいてい30代、40代の専門職に就いている人や経営者で、道徳的には問題ない人たちだという。

 中国は共産党政権発足後、最初の数十年間に堕落を批判してきた。現在でも保守的な考えが一般的だが、経済改革により性的自由がもたらされ、アダルトグッズを扱う店が街中にあふれている。

 中国では、伝統的に男の子が望まれることや一人っ子政策の影響で、違法であるにもかかわらず産み分けのための人工中絶が一般的に行われている。出生時の男女比の世界平均は、女児100人に対して男児107人だが、中国の男児出生数は116人。「Micdolls」のオーナー、張さんは、「中国の若い男性の多くはガールフレンドを見つけたり、女性と交際したりするのが難しい。だから、代わりに人形を使うのかもしれない」と話した。(c)AFP