■パッキャオ陣営の主張にNASCも反論

 米ラスベガス(Las Vegas)のMGMグランド・ガーデン・アリーナ(MGM Grand Garden Arena)で行われたパッキャオとメイウェザーによる「世紀の一戦」は、ボクシング史上最高額の約4億ドル(約480億円)の収益を記録することが確実視されている。

 この試合でメイウェザーは、パウンド・フォー・パウンドの現役最強ボクサーとしての地位を確立したが、その後、パッキャオのけがが判明した。

 最終12ラウンドまで及んだ試合で、明らかに右腕をかばっていたパッキャオがジャブを18回命中させたのに対し、メイウェザーは67回を記録した。また、負傷でパンチの威力を失っていたパッキャオは、防御に徹したメイウェザーの命中率が48パーセントだったのに対し、27パーセントに終わっていた。

 パッキャオ陣営は、試合前に抜き打ちのドーピング検査を実施した米国反ドーピング機関(USADA)から、抗炎症薬の注射について事前に許可を得ていたにもかかわらず、当日になってNSACが認めなかったと主張している。

 パッキャオ陣営は試合直前に、非ステロイド性抗炎症薬のトラドール(Toradol)を投与する予定だったが、NSACが介入して治療を阻止したとしている。一方、米ネバダ(Nevada)州でボクシングを管轄するNASCは、パッキャオのけがについて試合当日の夜まで知らされていなかったと反論した。

 チームパッキャオは、USADAが試合の5日前に注射を許可したことに加え、試合当日に薬を使用する意向を示す医療申告書を提出していたと主張している。(c)AFP