【5月5日 AFP】米テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)近郊で開かれたイスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画コンテスト会場前で起きた発砲事件で、警察に射殺された容疑者の男2人のうち1人が過去にイスラム過激派への共感をめぐって米連邦捜査局(FBI)の捜査対象となり、虚偽の証言をしたとして2011年に3年間の保護観察処分を言い渡されていたことが4日、明らかになった。

 事件は3日、ダラス近郊のガーランド(Garland)で反イスラム団体「米国の自由防衛構想(American Freedom Defense Initiative)」が主催したムハンマドの風刺画コンテスト会場前で、男2人がアサルトライフルを発砲したもの。2人は会場に入る前に交通警察官によって射殺された。

 犯行声明は出ていないが、2人はイスラム過激派とみられており、複数の米メディアが身元についてエルトン・シンプソン(Elton Simpson)容疑者(31)とナディル・スーフィ(Nadir Soofi)容疑者(34)だと伝えている。

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)によると、2人はアリゾナ(Arizona)州フェニックス(Phoenix)で同居していたという。CNNテレビは、2人が同居していたとされるアパートをFBIが捜索している映像を放映した。

 AFPが入手した裁判記録によれば、シンプソン容疑者は2011年に3年間の保護観察を言い渡されていた。その際、FBIは法廷で、同容疑者と情報提供者がソマリアへ渡航して「聖戦」を遂行している「彼らの兄弟たち」に加わる計画を協議しているとされる会話の録音記録を提示していた。

 この裁判では、シンプソン容疑者のテロ関連容疑を立証はできなかったが、同容疑者は捜査官に対してソマリア行きについて話し合った事実を否定していたため、虚偽の証言をしたと認められた。(c)AFP/Jared Christopher