【4月30日 AFP】(一部更新)ネパールの首都カトマンズ(Kathmandu)郊外で30日、15歳の少年が大地震の発生から5日ぶりに救出された。地震による死者はこれまでに5500人以上に上っている。

 警察の広報担当者によると、救出されたのはネパール人の15歳の少年で、地震で倒壊した宿泊施設「ヒルトン・ゲストハウス(Hilton Guesthouse)」のがれきの下から助け出された。少年は「ペンバ・ラマ(Pemba Lama)」さんと確認されている。

 ラマさんは、バターを溶かした「ギー」を食べて生き延びたという。医師たちは奇跡だと称賛し、救出の現場に立ち会った人々からは歓声が上がった。

 だがラマさんが救出された数分後、同じがれきから別の10代の若者の遺体が収容され、生存者救出は望み薄なことが改めて浮き彫りとなった。

 顔を泥とほこりに覆われたラマさんは、頸椎(けいつい)を保護するネックカラーと点滴を装着した後、担架に乗せられて野外病院に搬送された。

■「けさまで会話していた2人の声が聞こえなくなった」

「(ラマさんを救出した場所は)とても狭かった。『誰か中にいるか』と声をかけたら、音が聞こえたので捜索を続けた」と、ネパールの救助隊の一人は地元テレビに語った。「(ラマさんは)バイクの陰にいた。バイクを切断して、彼を無事に引っ張り出すことができた」

 だがラマさん救出に喜ぶ中、別の若者の遺体がすぐそばで発見された。

「(ラマさんは)けさまで別の2人と会話をしていたが、やがて2人の声が聞こえなくなったと話した」とネパール武装警察(APF)のナラヤン・タパ(Narayan Thapa)氏は語った。(c)AFP/Bhuvan BAGGA