■錦織は「天才」

 松岡氏は、「ビッグ4」と呼ばれるジョコビッチ、ナダル、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)を恐れることはないと話している。

 メジャー初優勝まで時間がかかったマレーについて、松岡氏は「マレーは大変な思いをして勝ち取りました」と言及した。「他の3選手がピークのときに向かっていったんですからね。でも、彼らの力は少しずつですが確実に衰えています。そして、新世代が台頭しているのです」

「圭がこれらの選手に勝てるのは明らかで、昨年より今年の方が、グランドスラム優勝のチャンスがある。これから2~3年好調を維持できれば、トップに仲間入りするでしょう」

 2008年のデルレイビーチ国際テニス選手権(Delray Beach International Tennis Championships)で、世界ランク244位ながらツアー初優勝を飾り一躍脚光を浴びた錦織は、今や日本の大スターとなっている。全米オープンでは、テレビで試合を見るために早起きしたファンも大勢いた。

 ここ数年の快進撃が目を引く錦織だが、2009年には選手生命を脅かす手術を受けるなど、つらい経験もしてきた。

 松岡氏は、錦織が「より強くなった」とすると、「心理戦も得意です。彼は相手を読むのが上手で、不安にさせることが得意。弱っていると思わせておいて、第5セットで一気に攻めてきます」とその強さを表現した。

「僕にとっての天才は2人。それは、フェデラーと圭です。タッチや創造性ですね。圭はグランドスラムで優勝しなければいけませんが、すごいテニスをしているし、壁を壊してくれると思います」

(c)AFP/Alastair HIMMER