【4月28日 AFP】ギリシャのアレクシス・ツィプラス(Alexis Tsipras)首相は27日、金融支援をめぐり欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)などとの協議に当たる交渉チームの顔ぶれを刷新した。苦境に立たされた同国財務相と、欧州連合とのさらなる関係悪化を受けての決断とみられる。

 政府は声明で、ギリシャの新たな金融支援をめぐり、数か月を交渉に費やしたものの成果が得られなかったとして、困難な協議の補佐役を果たせるようオランダ生まれの経済学教授、ユークリッド・ツァカロトス(Euclid Tsakalotos)外務副大臣(55)率いる「政治交渉チーム」を結成すると発表した。

 これについて、その交渉スタイルがEUの反発を招いているとされるヤニス・バルファキス(Yanis Varoufakis)財務相(53)を事実上更迭する動きだとする見方もある一方で、急進左派政府はそれを否定。「情報に踊らされた」メディアからの攻撃を退け、型破りな経済学者のバルファキス財務相を引き続き支持していく意向を強調した。

 ある政府筋は、今回の刷新でもバルファキス財務相への影響はなく、ツァカロトス氏の「政治交渉チーム」を監督するのはバルファキス氏だと言明。AFPに対し、「ユーロ圏との会合でギリシャを代表するのは引き続きバルファキス氏だ」と明かしている。

 この動きに先立ち、先週ラトビアの首都リガ(Riga)で開かれたユーロ圏財務相会合は波乱含みで、バルファキス氏は欧州諸国の他の財務相らから「孤立していた」と報じられていた。(c)AFP/John HADOULIS