【4月27日 AFP】ドイツ、クロアチア、フランスの3か国で26日、第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazis)とその同盟国が運営した3つの強制収容所の解放から70年に合わせた記念式典が開催され、人々が収容所での残虐行為と恐怖を振り返った。

 ドイツ西部のベルゲン・ベルゼン(Bergen-Belsen)強制収容所跡では、ユダヤ人組織「世界ユダヤ人会議(World Jewish Congress)」のロナルド・ローダー(Ronald Lauder)議長が、70年前の同収容所解放時に初めて伝えられた施設内の様子を目の当たりにした際の衝撃を語った。「私たちは、地面の溝に裸の遺体を押し入れているブルドーザーを見た。歩く骸骨となった人々も。信じがたい悲しみと損失だ」

 ベルゲン・ベルゼン収容所では1941~45年の間、ユダヤ人の少女アンネ・フランク(Anne Frank)を含む欧州各地から集められた5万人以上の人々と、戦争捕虜2万人が命を落とした。

 クロアチアでは、「クロアチアのアウシュビッツ(Auschwitz)」として知られるヤセノヴァツ(Jasenovac)収容所跡で、約600人の収容者による脱走未遂から70周年の追悼式典が行われた。同収容所では最大7万人のセルビア人、ユダヤ人、ロマ人、反ファシスト派クロアチア人らが虐殺されたとされる。

 26日に「強制移送の日(National Day of Deportation)」を迎えたフランスでは、ナチスによるジェノサイド(集団虐殺)を助けた当時の親ナチス政権の役割を人々が振り返った。

 フランスで唯一のナチス・ドイツの強制収容所があったアルザス(Alsace)地方のストリュートフ(Struthof)で開かれた追悼式には、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領も出席し、今も残る人種差別と反ユダヤ主義は「最悪の事態が再び起こりかねない」ことを示していると警告した。(c)AFP